オプション機器を使った高度な訓練について
【フルーエントトーク】では、本サービスを利用するパソコンに、オプション機器 ( 周波数調整器ユニット ) を接続することで、さらに高度な訓練を行うことができます。
自分の発した声の特徴を意識しながら訓練することや、スピーカーから流れる通常音からリズムやプロソディをつかむことは簡単なことではありません。
本オプション機器を使うことで、
ここでは、このようなオプション機器の特性を生かした各種訓練の詳細について説明します。
1) 自分の声のフィードバックを聞きながらの訓練
2) 周波数調整器を使った低周波刺激/不連続刺激訓練
3) 振動子を使った触覚刺激訓練(基礎訓練)
4) 振動子を使った触覚刺激訓練(吃音訓練)
周波数調整器ユニット
これらの機器を使用することで、自分が発する声や訓練手本の声・リズムを、効果的に自覚しながら訓練が行えるようになります。
自分の発した声の特徴を意識しながら訓練することや、スピーカーから流れる通常音からリズムやプロソディをつかむことは簡単なことではありません。
本オプション機器を使うことで、
- 自分の声を遅らせて聞く (周波数調整期+マイク付ヘッドセット)
- リズムやプロソディ要素を強調させて聞く (周波数調整期+マイク付ヘッドセット)
- 音を振動に変えて感じる (振動子)
ここでは、このようなオプション機器の特性を生かした各種訓練の詳細について説明します。
1) 自分の声のフィードバックを聞きながらの訓練
マイクからひろった自分の声を、周波数調整器を使うことで、少し遅らせてヘッドフォンに出力させることができます。これを聴覚遅延フィードバック(Delayed Auditory Feedback)機能といいます。
これにより、訓練時に自分の声が聞こえてくるようになり、自然と今の自分の声の状態を自覚し修正しようとする自己フィードバック効果が働きます。
これにより、訓練時に自分の声が聞こえてくるようになり、自然と今の自分の声の状態を自覚し修正しようとする自己フィードバック効果が働きます。
聴覚遅延フィードバック(Delayed Auditory Feedback)の設定について
マイク入力の音声を 0.01~0.19 秒の間で遅延させる設定が行えます。遅延時間を変えながら自分に合った遅延時間で訓練を行ってください。
設定方法の詳細については、周波数調整器に付属している周波数調整器設定ソフトの説明書を参照ください。(低周波数帯域や高周波数帯域で別々の遅延時間や音量を設定することで、さらにきめ細かな活用を行うことも可能です)
周波数調整器の設定画面
設定方法の詳細については、周波数調整器に付属している周波数調整器設定ソフトの説明書を参照ください。(低周波数帯域や高周波数帯域で別々の遅延時間や音量を設定することで、さらにきめ細かな活用を行うことも可能です)
周波数調整器の設定画面
2) 周波数調整器を使った低周波刺激/不連続刺激訓練
低周波帯域(300Hz以下)の低い音域には、話ことばの表情(リズム/イントネーション)の情報が含まれています。
通常我々は、言葉の内容(300Hz~3000Hz)の音域を聞き取ることに注意がいきがちになりますが、話をする時は、まず土台になるリズム/イントネーションの情報である低周波(300Hz以下)の音域を体感できるようになることが重要です。
また、300Hz以下と3000Hz以上の音域のみを組合せると日本語の音素(母音・子音・半母音)を知覚する脳の働きが活性化されることが知られています。
通常我々は、言葉の内容(300Hz~3000Hz)の音域を聞き取ることに注意がいきがちになりますが、話をする時は、まず土台になるリズム/イントネーションの情報である低周波(300Hz以下)の音域を体感できるようになることが重要です。
また、300Hz以下と3000Hz以上の音域のみを組合せると日本語の音素(母音・子音・半母音)を知覚する脳の働きが活性化されることが知られています。
① 低周波刺激訓練
周波数調整器を使って、300Hz以下の音域だけをヘッドフォンに出力させることで、訓練者が低周波(300Hz以下)の音域に含まれるリズム/イントネーションの情報をより自覚しやすくすることができます。
② 不連続刺激訓練
周波数調整器で 300Hz~3000Hzの音域をカットして、ヘッドフォンに 300Hz以下と3000Hz以上の音域のみを出力させることで、ことばの知覚の基本である音素をより知覚できるようにすることもできます。
低周波・不連続刺激の訓練
設定方法の詳細については、周波数調整器に付属している周波数調整器設定ソフトの説明書を参照ください。(低周波帯域や高周波帯域の周波数を個別に変えるなど、さらにきめ細かな設定を行うことも可能です)
低周波・不連続刺激の訓練
設定方法の詳細については、周波数調整器に付属している周波数調整器設定ソフトの説明書を参照ください。(低周波帯域や高周波帯域の周波数を個別に変えるなど、さらにきめ細かな設定を行うことも可能です)
3) 振動子を使った触覚刺激訓練(基礎訓練)
周波数調整器に振動子をつなぐことで、1)2)の訓練を耳からではなく、皮膚の振動を通じて体感しながら訓練することができます。
触覚刺激の訓練
触覚刺激の訓練
4) 振動子を使った触覚刺激訓練(吃音訓練)
吃音訓練(リズムとなえうた)でリズムを刻む拍子木の音に合わせて、振動子を動作させることができます。
本訓練は、吃音訓練(リズムとなえうた)と連動する「ポケットリズム」ソフトの設定が必要になります。
本訓練は、吃音訓練(リズムとなえうた)と連動する「ポケットリズム」ソフトの設定が必要になります。
周波数調整器「ポケットリズム」ソフトと振動子とを利用した「リズムとなえうた訓練」
「リズムとなえうた訓練」用リズム発生設定画面
「リズムとなえうた訓練」の電子拍子木リズム音と同期させたい時はこの設定画面を利用してください。
1.「リズムとなえうた訓練」の「小児」、「成人」あるいは「百人一首」かを選択してください。
2.「リズムとなえうた訓練」の訓練速度:「標準」、「早い」、「遅い」を選択してください。
3.「リズムとなえうた訓練」の訓練開始時の電子拍子木リズム音2回鳴るときにスタートボタンを押してリズム同期するようにしてお使いください。
4.閉じるを押すと、任意リズム発生設定画面へ戻ります。
周波数調整器ユニットに付属している「ポケットリズム」ソフトをインストールしてください。「ポケットリズム」(ソフト)を「リズムとなえた訓練」と併用して利用すれば「リズムとなえうた」の電子拍子木音リズムが同期して得られて訓練効果が上がります。
ポケットリズム」はリズム音でなく振動子の振動でリズム(インターバル)を教えてくれます。周波数調整器に接続された振動子の振動正面を掌で触れればリズム間隔が振動覚で伝わります 。
「リズムとなえうた訓練」に合わせたポケットリズム設定方法
ポケットリズム」はリズム音でなく振動子の振動でリズム(インターバル)を教えてくれます。周波数調整器に接続された振動子の振動正面を掌で触れればリズム間隔が振動覚で伝わります 。
「リズムとなえうた訓練」用リズム発生設定画面
「リズムとなえうた訓練」の電子拍子木リズム音と同期させたい時はこの設定画面を利用してください。
1.「リズムとなえうた訓練」の「小児」、「成人」あるいは「百人一首」かを選択してください。
2.「リズムとなえうた訓練」の訓練速度:「標準」、「早い」、「遅い」を選択してください。
3.「リズムとなえうた訓練」の訓練開始時の電子拍子木リズム音2回鳴るときにスタートボタンを押してリズム同期するようにしてお使いください。
4.閉じるを押すと、任意リズム発生設定画面へ戻ります。
◆ アドバイス
周波数調整器ユニットを使った訓練において、知っておくと、より効果的な訓練につながる情報です。
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周波数は、話しことばの情動、情緒的な段階では、イントネーションやリズムの形で、低い周波数によって伝えられます。
ことばを聞きとる初めの段階では、話しことばの表情を知覚するため、低い周波数で練習しましょう。日本語の基本は300Hz以下です。内容(発声)の方に気がいってしまう方の場合は、もう少し下げても良いでしょう。低い周波数は、振動として身体でも感受でき、振動子も併用すべきです。脳では、このイントネーションやリズムの情報と一緒に運動的、振動触覚的情報が結合されるのです。(Guberina,1985) - 低周波数帯は高周波数帯と同時に伝送されると、つまり間を抜いて不連続にすると、音声記号として寄与できることが証明されています。(Linden, 1964; Palva, 1965; Franklin, 1969, 1976, 1979; Ticinovic&Sonic, 1971; Guberina, 1972; Plummer, 1972)
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音を日本語の音の体系の中で理解し習得する能力をつけるためには、この不連続周波数帯で練習しましょう。日本語に合わせて、基本プログラムでは、300Hz以下と3000Hz以上が組み込まれています。練習があまりに困難な場合は、下は少し上げ(400または500Hz)、上は少し下げ(2500または2000Hz)、不連続の間隔を狭めてみてください。
練習が進むにつれて、これらの周波数帯の境界を広げる必要もありますが、この調節は臨床家に相談してください。 - 特にことばの流れが困難な場合(吃音、発語失行)には、臨床家と相談し遅延時間も併用して練習してください。
- 練習段階、目的、成績などによって、低周波と不連続を選んでください。ことばの抑揚の知覚を目的とする段階(自然な声を目的にする段階)では低周波刺激、または音素の聞きとりを構造化させたい段階(音を間違いなく習得したい段階)では不連続刺激と、使い分けてください。たとえば、1音を言うことも困難な場合は、最初はリズム・イントネーション知覚のための低周波の刺激が良く、喚語困難やジャルゴンなどの音の構造化が必要な場合は、不連続刺激が良いのです。
- 周波数調整器および振動子を用いての練習は、ナレーション(先生の声)のときばかりでなく、自分の声の聞きとり(フィードバック)時にも用いるべきです。練習中は装置を外さないで使用してください。
オプション機器の構成と接続
こちらでは、【フルーエントトーク】で利用するオプション機器について説明します。
※ オプション機器を利用する場合は、「周波数調整器ユニット1式」 を別途ご購入いただく必要があります。
◆ 周波数調整器ユニット(オプション機器)の構成
◆ 周波数調整器ユニット(オプション機器)の接続方法
◆ 周波数調整器の機能
◆ オプション機器利用時の注意事項
※ オプション機器を利用する場合は、「周波数調整器ユニット1式」 を別途ご購入いただく必要があります。
◆ 周波数調整器ユニット(オプション機器)の構成
【フルーエントトーク】のオプション機器は、周波数調整器、振動子、ヘッドセット、オーディオケーブル1本を「周波数調整器ユニット1式」としてご用意しています。
周波数調整器ユニット1式
◆ 周波数調整器ユニット(オプション機器)の接続方法
【フルーエントトーク】の訓練で利用する場合、下図のようにパソコンと接続します。
パソコンと周波数調整器・振動子・マイク付ヘッドセットとの接続方法
※ 詳細については、商品に同梱包されている「周波数調整器単体使用説明書」をご覧ください。
パソコンと周波数調整器・振動子・マイク付ヘッドセットとの接続方法
※ 詳細については、商品に同梱包されている「周波数調整器単体使用説明書」をご覧ください。
◆ 周波数調整器の機能
周波数調整器を利用すると以下のことができます。
1) 周波数による出力帯域制御
指定した低周波帯域と高周波帯域を使って、入力音声を以下の2つの形式で出力します。
2) 帯域の音量調整
- 低周波帯域のみを取り出して出力
- 低周波と高周波のみの帯域を取り出して出力
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低周波帯域の上限値 : 200Hz、250Hz、300Hz、320Hz、400Hz、500Hz
※ 標準は 300Hz です。 -
高周波帯域の下限値 : 2000Hz、2500Hz、3000Hz、3200Hz、4000Hz、5000Hz
※ 標準は 3000Hz です。
低周波帯域、高周波帯域それぞれの音量を 0~100まで10刻みで指定できます 。
3) 出力音声の遅延
訓練する人が発した声が、自分自身に伝わるまでの時間を調節できます。実際に聞こえる声よりも遅れて伝わるように遅延時間を設定します。
指定できる遅延時間の値は、0~0.19秒まで0.01秒刻みで指定できます。
指定できる遅延時間の値は、0~0.19秒まで0.01秒刻みで指定できます。
◆ オプション機器利用時の注意事項
ご利用の際は、以下の点に注意してください。
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周波数調整器を使用すると、ヘッドフォンを通して聴覚だけではなく平衡感覚など 他の感覚も刺激されます。
利用時に、耳鳴りや平衡間隔など身体の異常を感じた場合は、本装置の利用時間を短くしたり、音量を小さくするなど、徐々に導入する配慮をしてください。
特に、流暢型失語症で知覚経路に強く障害を持つ方の場合には、常に状態をチェックしながら使用してください。
振動子は、練習の最初から装着導入を行っても問題はありません。 -
周波数調整器や振動子を利用した訓練が必要な期間は、装置を使用することが煩わしく感じるようになるまでです。
装置を使用していると、徐々に聞き取り能力が向上してくるため、必ず装置が邪魔になってきます。このときが装置使用の終了時期と考えてください。
この時点で、日本語を普通の会話周波数で聞くことに関しては、健常者と同じレベルになったと判断できます。