| 失語症のタイプ | 障がい内容 | 訓練方法・手法・手順 |
|---|---|---|
| ブローカ失語 遠心性運動失語 |
1. 次言語運動単位への結合困難 2. プロソディ障がい 3. 文法(語-語結合)障がい |
1. 呼吸運動から発語運動へ統合 → 2. 発語表現 → 3. 一語文表現 → 4. 語結合運動 |
| ウェルニッケ失語 |
言語コードの本質的諸特性の抽出や、その保持の障がい 1型:音素単位の選択障がい 2型:選択単位の保持障がい |
1型: 音素単位の明確化を目的に、ことばのリズムを用い、語の音素数、音素単位を知覚させる 2型: 時間(休止)や妨害刺激での非抑制を援助 となえうたは単語でも無意味語でもよい 選択文節の明確化のため、リズム表現訓練をおこなう |
| 伝導失語 求心性運動失語 |
1. 音の弁別特性を選択して具現が困難 2. 音素の系列化障がい 3. 言語に関する把持障がい |
1. 音要素の求心感覚を援助するため、不連続周波数刺激と身体リズム運動を丁寧におこなう 2. リズムと強弱を強調し、語や音の系列を知覚させる 3. 把持スパンを拡大するため、誘導文表現や身体運動を強化する訓練をおこなう |
| 健忘失語 意味性失語 |
1. 意味マトリックスへの選択接近障がい 2. 論理構造の複雑な操作能力障がい(空間的配置思考障がい) |
1. 一般化である意味とは、事物や表象や情意を言語で把握する動的な作用のことである 2. この動的な働きの成立過程を、言語発達研究に沿って練習する |
| 超皮質性運動失語 力動失語 |
1. 叙述(文統合)障がい 2. 符号の限界を超えることばの統合障がい(対話能力の障がい) |
1. 叙述および対話能力を訓練 2. 述部や陳述表現を唱える 3. 身体リズム運動も情緒性を持たせておこなう |
| 超皮質性感覚失語 重度意味性失語 |
1. 空間的配置思考障がい |
1. 情緒性やモードを強調し、繰り返しを増やしながら情緒の共有を練習 2. 主体の思い(自己表出性)を練習する |
| 訓練ステップ順序 | 全体構造法の訓練手段 | 実際の訓練内容と方法 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 呼吸運動→発声運動 | 身体リズム運動 | 体をリラックスさせる |
| 2 | 口の体操 | 身体リズム運動 | 楽に声を出すようにする |
| 3 | 母音の練習 | 身体リズム運動 | 運動を覚えるのではなく、ことばをつかむための運動をする。自発的にとらえる練習をする。 |
| 4 | 子音の練習 | 身体リズム運動 | 一つの練習の目的は常に一つにする。子音の場合は、母音より運動がもっと詳細になります。 |
| 5 | 話しことばの基礎練習 | となえうた、不連続刺激 | さまざまなプロソディにのせて唱える練習をする。一音でさまざまな表現をプロソディ、母音で唱えられたらその母音から始まる一語文練習を行う。 |
| 6 | 話しことばの練習 | となえうた、不連続刺激 | 母音・子音から始まるプロソディにのせた二語文となえうた練習を行う。 |
| 7 | 話しことばの唱える練習 | となえうた、不連続刺激 | スムーズに二語文が唱えられるように練習を行う |
| 訓練ステップ順序 | 全体構造法の訓練手段 | 実際の訓練内容と方法 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 母音の練習 | 身体リズム運動、不連続刺激 | 一音としてとらえることを目標に練習。ウェルニッケ失語で重要なのはプロソディの中でリズムの部分。リズムによる身体運動でことばの切り方、まとめ方をとらえます。抑揚よりリズムの方が、音数を明確に区切って表してくれます。 |
| 2 | 子音の練習 | 身体リズム運動、不連続刺激 | 音数を明確化する訓練を行います。自分でリズムを打って練習する。不連続フィルターでわざと会話領域の音を消して、音・リズムをとらえる練習を行う。 |
| 3 | 特殊な音と普通の音の違いをとらえる練習 | 身体リズム運動、不連続刺激 | 今まで無造作にリズムの中でとなえてきた特殊な音を自覚する練習を行う。多量にあるより、際立っている方が知覚できます。 |
| 4 | 話しことばの基礎練習 | となえうた、不連続刺激 | 不連続フィルターで音の違いでも音数が分かる練習を行う。 |
| 5 | 話しことばの練習 | となえうた、不連続刺激 | 不連続フィルターで4行2語文となえうたでも聞き取り、となえる練習を行う。 |
| 6 | 話しことばの唱える練習 | となえうた、不連続刺激 | 不連続フィルターで難しい表現の4行2語文となえうたでも聞き取り、となえる練習を行う。 |
